はじめに ~モラハラ夫に悩むあなたへ~
あなたは今、幸せですか?
自分に自信を持って生きていますか?
私は今、とても幸せです。
しかし、少し前までの私はまったくそうではありませんでした。
夫からモラハラを受けていたからです。
「なぜそんなこともできないんだ」
「お前のせいで、俺ばかり苦労する」
毎日そんな言葉を夫から浴びせられ、妻として母としてもっと上手くやらなければと思い詰めては涙し、小さな子どもを抱えているにも関わらず、もう死んでしまいたいとすら思っていました。
そんな私が変わることができたきっかけは、とあるモラハラについて書かれたブログです。
当時モラハラという言葉すら知らなかった私ですが、そのブログに書かれている「モラハラをする人の特徴」や「モラハラ夫のエピソード」を読んでいくにつれ鳥肌がたちました。
私の夫のことを書いているのではと思うほど、あまりにも当てはまっていたからです。
それから私は、モラハラについて勉強すると同時に、カウンセリングを受けたり地域の無料相談窓口を利用したりするうちに、徐々に夫のモラハラに対応する術を身に着けました。
このサイトでは、私がモラハラ夫を克服できるようになるまでに得た知識を、私の経験を交えつつ掲載していきます。
私と同じようにモラハラで悩んでいる方の助けになるならば、これ以上に嬉しいことはありません。
夫のモラハラは、妊娠中から始まった
モラハラ夫の多くは、最初はその素振りを全く見せません。
むしろ、最初はとてもいい恋人、配偶者として振る舞います。
私自身、今の夫と恋人として付き合っていた当時は「これほどいい恋人はいないだろう」と思っていました。
たとえば、私の帰りが遅いときには車で迎えに来てくれたこともありましたし、誕生日などのイベント事にはかかさず私の好みに合わせたプレゼントをくれました。いつも物腰が柔らかで、私に落ち度があったときでも怒らず、優しく諭してくれるような人でした。
そんな彼だったので、友人や両親からの評判もとても良く、結婚式ではいろいろな人から「いい人を捕まえたね」と言われたものです。
彼らがモラハラ夫に変わるきっかけは、「結婚」や「妊娠、出産」が多いと言われています。
自分の所有物になったから……
身重で動けないから……
子どもがいたら別れられないだろうから……
モラハラ夫たちはこういった心理でモラハラ行為を始めるのです。
私の夫の場合は、「妊娠」がきっかけでした。
今でも覚えています。
悪阻がひどくなりご飯が作れず、何か買ってきてくれと頼んだことがありました。
そのとき夫から「仕事で疲れている夫に出来合いのものを食べさせて恥ずかしくないのか」と言われたのです。
このとき、私はまだ育休に入る前でした。
つまり、私も仕事で疲れていたのに、そして他でもない夫の子どもを身ごもっているのに、このような言葉で一方的に叱責されたのです。
今ならこの理不尽さをハッキリと認識できますが、そのときの私は夫の言葉に強いショックをうけ、思わず謝罪してしまいました。
妊娠、出産を経て徐々にモラハラはひどくなっていきましたが、私が「死にたい」と思うほど酷くなったのは、育休期間を終えて職場復帰した頃からです。
「お前のために言ってやってる」というモラハラ夫の言葉の呪縛
職場に復帰すると、家事をこなすのが難しくなりました。
それまでは家でアイロン掛けしていたワイシャツをクリーニングに出したり、夕飯を何品かお惣菜でまかなったりしてなんとか最低限の家事をこなしていたつもりでしたが、モラハラ夫はそれに納得がいかず、私を叱りつけました。
「家でアイロンを掛ければ安いだろう、贅沢をするな」
「惣菜なんて身体に悪い。子どもが大きくなってからもこんなものを出すつもりか」
夫のいうことは間違ってはいません。 アイロン掛けを家でやれば安くつき、家計が助かります。
お惣菜よりも、手作りの料理のほうが安全ですし、味も美味しいでしょう。
でも、働いて、子育てをして、そのうえ家事まで完璧にこなすというのは時間的にも体力的にも不可能なことです。
私が涙ながらに訴えると、夫は優しく語りかけてきました。
「俺もこんなことをいうのは辛い。でも、君を想っていってるんだ。子どものために、いいお母さんになって欲しいんだ」
「最初から完璧じゃなくていい。ただ、何も言わなければ変わらないだろう」
この時期のことを思い出すと、本当に腹が立ちます。
我が夫ながら、本当にしょうもない、自分のことしか考えていない、利己的な男ですよね。
でも……そのときの私は、なんて優しい夫なんだろうと思ってしまったのです。
そして、それから同じようなことを言われるたびに、「私がいいお母さんにならないと」「もっと頑張らないと」と思うようになりました。
でも、私が頑張ったところでモラハラ夫は絶対に文句をいってきます。文句をいう理由はなんでもいいのです。
モラハラ夫の言動はよく「後出しジャンケン」と揶揄されます。
たとえば、夏場にクーラーをつけたとします。
するとモラハラ夫は、「これくらいでクーラーをつけるな」と言ってきます。
そう言われたので、次の日クーラーをつけずに我慢していると、今度は「こんなに暑いのになぜクーラーをつけないんだ」と言われます。
その次の日、今度は「クーラーをつけようか?」と尋ねます。
すると「聞かれる前に快適な温度にしておこうと思わないのか」と言われます。
見事なまでの後出しジャンケンですよね。
こうして見るとなんてアホらしいんだと思えますが、実際に生活の中でこういったことを繰り返され続けると、どんどん心が疲弊していき、どうしたら怒られないで済むのか、どうしたら夫は気分よくいてくれるのか、そればかりを考えるようになります。
それこそがモラハラ夫の狙いなのです。
モラハラ夫は、妻を支配し、コントロールしたいという欲求を持っています。
お前に落ち度があると責め続けることで妻に罪悪感を抱かせ、自尊心を損なわせることで支配しやすい状態にしているのです。
モラハラ夫は「お前のためを想って言っている」もしくは「お前が悪いから教育してやっている」という言葉をよく使いますが、それはまったくの嘘です。
それに気付くことが、モラハラの魔のスパイラルから抜け出し、幸せを手に入れる第一歩となります。
モラハラ夫を克服すれば、あなたは絶対に幸せになれる!
今の私は、とても幸せです。
どれくらい幸せかというと、実は結婚する前よりずっと幸せなんです。
モラハラ被害に遭いやすい女性の特徴として、「自信がない」ということが挙げられますが私もまさにそうでした。
卑屈とまではいきませんが、たとえば相手が悪いと思っていても強く言われると言い返すことができず、ただ我慢しているだけという性格でした。
しかし、モラハラ夫への対処法を身につける過程でその「自分の自信の無さ」とも向き合う必要がありました。
今の私は、自分に自信を持っています。
といっても、まったく人が変わったわけではなく、強く言われると思わず黙ってしまうこともあります。
でも、本当に譲れないことがあるときに黙って我慢するということはなくなりました。
そう、私は自分を大切にできるようになったのです。
だから、結婚する前よりも幸せだと感じられるのです。
「そんなの絶対に無理だ」
モラハラ夫に悩んでいる方なら、多くの人がそう思うでしょう。
それはある意味当たり前のことだといえます。
モラハラ被害者は、自信や尊厳を徹底的に奪われた状態に陥っているからです。
むしろ、「私は絶対に幸せになれない」と思っている状態こそ、あなたがモラハラに苦しめられている何よりの証拠だといえます。
あなたが幸せになりたいと本気で願い、努力すれば、モラハラに負けない幸せを手にすることができます。
私はけっして、頭が良いわけではありません。
言葉巧みにモラハラ夫を言いくるめているわけではないのです。
ただ、モラハラ夫に負けたくない、子どもに不幸になってほしくない、幸せになりたい。
そう強く願い、今も努力を続けていることが今の幸せにつながっています。
今は信じられなくても、心の片隅に置いておいてください。
あなたは絶対に幸せになれるということを。